ガイド育成のこだわりとガイド料

当法人のガイドは、他の団体や旅行会社が行っている単なる登録制ではなく、どのガイドでも一定の質を備え、お客様に満足していただけるよう、大変な時間・費用をかけて育成しています。

和歌山県主催の「高野・熊野地域通訳案内士研修」の受講

和歌山県では、高野・熊野地域通訳案内士を育成すべく、毎年9月~翌年3月までの間で、座学および現場研修を行っており、当法人ではそちらへの参加を推奨しています(全国通訳案内士であっても参加を義務付けております)

座学では、「コミュニケーション・ホスピタリティ」「世界遺産地区の地理・歴史」「旅程管理」(合計22時間)を、現場研修では高野山地域と熊野古道(合計20時間・全4日)を学び、最終は当該言語による面接試験が実施され、それに合格して初めてライセンスが交付されます。

これは、試験にさえ通れば交付される全国通訳案内士との大きな違いであり、受講する価値および受講後の実用性が極めて高い内容となっています。

当法人では、いずれかのライセンス(全国・地域)を所持していないガイドは現場に出ることはできません。

入会時の面接および現場ウォーク

入会を希望されるガイドは、当会代表とオンラインで面接を行います。

ここでご自身の入会動機をしっかりと確認させていただき、当法人の理念に合致しているかどうか、お客様を喜ばせる資質を備えているかどうか、利己的ではないか、人格は適切かなどを判断させていただいています。

面接終了後、今度は実際に代表と熊野古道の一部、または実際にお会いをして二次面接を行います。

ここで体力面や面接では分からなかった人間性などを見させていただき、入会の可否を判断させていただいています。

これは単に面接だけで登録をしている旅行会社とは一線を画します。

新人研修

晴れて入会が完了すると、次に新人研修を行います。
新人研修は、ガイドとして必要最低限のスキルの担保を目的としており「ガイドによって当たり外れがある」ということがないようにするためです。

新人研修では、座学と現場研修とに分けて学んでいただきます。

座学

座学は動画視聴によるオンラインにて行います(全9時間)
これは、ガイドを副業としている会員が圧倒的に多いという現状から、各会員が好きな時に学べるようにしたものです。

座学では下記の内容を学習いたします。

  • 心構え
  • ガイド業務時の注意点
  • スキルアップ法
  • 持ち物
  • 安全管理
  • ケーススタディ
  • 熊野古道で見られる生き物とその特徴・習性
  • 熊野古道で見られる花とその特徴

認定研修・認定試験の実施→晴れてガイドデビューへ

新人には、県内の特定のコースで当法人が主宰する「認定研修」を行います。

認定研修では、実際のコースにおいて説明全般、知識、ガイド姿勢、技術、持ち物、時間管理、危機管理、応急手当など、 新人研修の内容を踏襲した実践的な内容で行います。

研修を修了すると、次は当法人のガイドや、一般から募集した方々を 実際に案内する「認定試験」を実施します。

認定試験は、前出の項目に沿って採点し、基準点を満たした受験者に対してのみ、ガイドの優先権が与えられます。

ガイドが好き勝手なことや、好き勝手なスタイルでご案内することは、ガイドの個性を出していく上では必要だとは思いますが、一定の基準がなければ、どうしてもガイドによって当たり外れがあり、その質にも大きな差が出がちです。

これは、どのガイドがいいか分からないお客様にとっては宝くじを引くようなものです。
そういった事態を最小限に抑えるため、当法人ではここまでこだわってガイド育成に力を注いでいます。

ガイドの個性の「肉付け」は、一定の基準の上にあってこそ成り立つものだからです。

外部講師による現場研修と勉強会

また、既存の会員に対しても、費用はかかってしまいますが、定期的に外部講師様をお迎えして研修を行っています。

当法人内のガイドで講師を務めることも可能ですが、あえて外部講師にこだわるのは、言葉は悪いですが「知識の近親相姦」を防ぐためです。
いわゆる「井のなかの蛙」にならないためにするためのものです。

熊野古道以外にも力をいれており、2023年度の現場研修実績は10件にのぼります。

勉強会は、それぞれのトピックについてオンラインでおこなっております。

ガイド料について

当会では、こうした過程を経てガイドとしてデビューをいたします。

お客様の安全、そして喜んでいただくことは当然のことでありますが、こと熊野古道のガイドは、他の観光スポットのガイドとは違い、より体力・判断力はもちろんのこと、地元の情報にも精通していることが必要となるため、誰にでもできるわけではない「狭き門」です。

上記の点から、当会のガイドは、都会からお客様をお連れするガイドとは、大きく一線を画します。

また、同じように日本語でお客様をご案内している語り部さんにも同じことが言えますが、さらに外国語が話せる人材となると、この田舎では極端にその数が少なくなります。

ガイド料は少々高めとお感じになるかとは思いますが、ガイドデビューまでの過程や、当地方における事情等をご理解いただきました上で、ご依頼いただけましたら幸いです。