大辺路 浦神駅~補陀洛山寺(那智駅)

大辺路ルートの中でも、古道がよく残されている区間です。
浦神峠、市屋峠、二河峠、駿田峠の4つの峠越えがありますが、それぞれの標高差は約70m~150mです。うち、二河峠、駿田峠は2016年に世界遺産に追加登録されました。

長距離なので健脚向きですが、必要に応じて終了地点を紀伊湯川駅(約8.4km)に変更したり、紀伊湯川駅から補陀洛山寺(約7km)に変更したり、二分割して2日で歩くことも可能です。

那智勝浦にお泊りの方に特にお勧めです。

コース前半の見どころ

炭焼き窯

紀州備長炭の炭焼き窯を見ることができます。通常、他の窯では季節に応じて作業を休んだりしているそうですが、こちらでは年末などを除きほぼ一年を通して作業をされているそうなので、たいていはその作業の様子を見学することができます。運がよければ炭出しに当たるかも。

浦神峠

浦神峠は世界遺産ではありませんが、二河峠や駿田峠にひけを取らない美しい古道が残されています。頂上の休平(やすみだいら)付近からは、太平洋を遠望できます。

大泰寺

臨済宗妙心寺派。創建1200年を誇る古刹。
樹齢400年の椎の巨木が迎えてくれます。
「熊野七薬師」の一つで、耳・歯・足の病や頭痛の他、「心の病」にも効くとされています。

與根河池(よねごいけ)

「よなごいけ」とも。
約300年前に灌漑用として作られた池。
1708年に起工し、1711年に完成しました。
石碑には「壮年庄屋・引地嘉左衛門指揮督励のもと、16戸の区民あらゆる困難に耐えて築き成せるものなり」と刻まれています。

コース後半の見どころ

ゆかし潟

周囲2.2kmの汽水湖。
近くにはいたる所で温泉が湧き、ゆりの山温泉、四季の里温泉などは多くの入浴客で賑わいを見せています。

加寿地蔵(かすじぞう)

昔、身分の高いお姫様が熊野詣の折に命を落とされ、供養のために建てられました。
もともと、酒粕とお供えしていたことからこの名が付けられたそうですが、良縁を授かることから寿を加えるという理由で後に「加寿」という字が当てられたそうです。
また、安産、子授け、婦人病に効くとされています。

駿田峠

石段が残る美しい古道。
2016年に世界遺産に追加登録されました。

丸正酢醸造元

那智川の伏流水、熊野杉で作られた桶を使用するなど、現代においても完全な古代醸造法を守り抜いている醸造元。
その伝統技法の一部を垣間見ることができるかも。
ご要望があれば、道中立ち寄ることもできます。
https://www.marusho-vinegar.jp/kodawari/index.html

補陀洛山寺

世界遺産に登録された熊野三社二寺のうちの一寺院。
この寺から、南海の彼方にあるとされていた補陀落浄土を目指し、868年~1722年までの間に、多くの僧侶が補陀落船と呼ばれる船に乗り込み、命を落としました。
境内には、復元された補陀落船が展示されています。
また、隣接する熊野三所大神社には、樹齢800年のクスノキの巨木を見ることができます。

コース情報

距離15.5km
難易度★★★☆☆~★★★★☆(全コースを歩いた場合)

地図はこちらから